映画の続編はよくありますが、50年後の続編と言うのはなかなか見かけませんよね?
『男と女 人生最良の日々』は、「結ばれなかった二人のその後の人生の1ページを切り取った映画」と言う表現がぴったりではないかでしょうか。
最近では、クライマックスがはっきりしている作品が多い中、本作は、そういった部分は弱かったように感じます。
今回は、映画『男と女人生最良の日々』の感想と考察、口コミや、タイトルの意味についてお届けしたいと思います。
映画『男と女人生最良の日々』の口コミ
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映画『男と女人生最良の日々』の感想

(C)2019 Les Films 13 – Davis Films – France 2 Cinema
鑑賞のきっかけ
私自身、前作は未鑑賞で『男と女人生最良の日々』を鑑賞しました。
たまたま映画雑誌を読んでいたところ、53年ぶりの続編という記事を見つけ、そんな珍しいことがあるんだ!と思ったのがこの映画に興味を持ったきっかけです。
しかも、監督もキャストも当時の方々が、年月を重ねた今の二人の人生を撮るということなので、すごくいい仕上がりになるのではないかと思いました。
フランスの自然豊かな景色に癒される
ストーリーとは少し離れてしまうのですが、フランスの郊外がよく映っていて、フランスの景色も素敵だなあと感じました。
最近邦画を観ることが多く、日本の自然の美しさについて良さを実感するのですが、フランスの街や海の美しさも観ることができるので、癒されたい時に観ると良いと思います。
特に、海沿いの木板で出来た道を走るシーンは、日本では見る事がないので、新鮮でよかったです。
映画で語られない空白の月日が現実的
約50年ぶりにジャンとアンヌが再会するところから『男と女人生最良の日々』の物語が始まります。
ジャンは歳を老い、記憶力の衰えが観られて老人ホームで過ごしている、一方、アンヌは娘や孫と和気藹々と自分の雑貨屋を営んでいます。
どちらも、すごく不幸!すごく幸せ!という激動の年月を過ごしたわけでなく、本当に私達と同じように大なり小なり人生のイベントを乗り越えたんだろうなと、親近感が湧くような設定になっています。
前作を観た方からすると、こうあって欲しかった!という思いはあるのかもしれません。
ただ、私は今の自分と重ねて数十年後に自分の初恋の人と再会する事があったら・・・なんて想像ができる面白い作品だなと思いました。
ジャンかアンヌのどちらかは相手より不幸になっていないと、この話は始まらないのかもしれませんが、あまりにもフィクションです!という設定でなかったのは良かったと感じました。
クライマックスの盛り上がりが少ない
エンドロールが流れるまで、映画の終わりに気づきませんでした。
最近観ている映画がクライマックスに向かって物語が進み、クライマックスで盛り上がりが最高潮になり、
「今この映画のクライマックスだ!もうすぐ映画が終わってしまう」
と感じる事が多かったがゆえの感想かもしれません。
『男と女人生最良の日々』は、再会した二人の数日間を描いた作品で、その間に劇的に何かが変わるといったストーリーではありません。
なので、明日の二人、明後日の二人、1年後の二人・・・という時間軸では描かれていません。
明日も二人で他愛のない会話をするのか、もう会うことはないのか、全く先が読めない終わり方です。
ドキュメンタリー番組(数日間だけ取材相手に密着するような)に近い感覚の映画なのかなと感じました。
仮に二人の関係性を綺麗にまとめてラストに持ってきたとしても、なんかモヤモヤしたまま終わりそうな気がするので、終わり方としては良い終わり方だったと思っています。
『男と女』の映像の使い方が面白い
『男と女 人生最良の日々』では、前作『男と女』の映像が使用されています。
回想シーンとはっきりわかるようなシーンもあるのですが、現在のシーンにも馴染んでいて、昔のシーンを観ているのか、今のシーンを観ているのかわからない感覚になる瞬間がいくつかありました。
それがすごく心地よく、この映画の面白さでもありました。
夢心地というのはこういうことを言うのだろうなと言う気持ちにさせてくれます。
映画『男と女人生最良の日々』の考察

(C)2019 Les Films 13 – Davis Films – France 2 Cinema
ストーリーがジャンの夢(空想)なのか、実際の出来事なのか区別がつかないストーリー構成である事が、『男と女 人生最良の日々』の映画としての1番の面白さなのではないでしょうか?
正直、1回観ただけでは、空想なのか現実なのか区別できませんし、そもそも、そんな区別をつける事自体がこの作品を楽しむ方法ではないのかもしれません。
日々、辛い事が多い中で、恋愛で夢心地を味わうと言うのは難しい私達に変わって、ジャンとアンヌが夢のような現実、現実のような夢を味わってくれているのだと思っています。
映画『男と女人生最良の日々』のタイトルの意味は?

(C)2019 Les Films 13 – Davis Films – France 2 Cinema
フランス語のタイトルは、”Les plus belles années d’une vie”で、直訳すると「一生の最高の年」と言う意味になります。
別れた二人が再会し、また、昔のように今の二人を楽しむ時間が描かれている、そういったストーリーを表す映画のタイトルとなっているのではないかと解釈しています。
二人にとっての最良の日々は、昔も今もジャンとアンヌ二人で過ごす時間なのだと思っています。
『男と女人生最良の日々』の感想と考察のまとめ
映画『男と女人生最良の日々』の感想と考察、タイトルの意味についてお届けしてきましたがいかがでしたか?
鑑賞する年齢や人生観によって、この作品に対する感想は違ってくるのだと思います。
ただ、何度も何度も見返してみたい作品なのは間違いなさそうです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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