2016年全米で話題になったFOXニュースCEOのセクハラ訴訟。
これを見事に映画化したのが『スキャンダル』(原題:Bombshell)です。
実話はベースであるものの、映画として面白くなるよう改変が加わっていますが、観終わった後にスッキリする映画です。
ただ、男性が見ると少し居心地悪く感じてしまうかもしれませんが、男性にも見ていただきたいです。
今日は、『スキャンダル』の口コミや感想、考察、映画内の特殊メイクについてお届けしていきます!
『スキャンダル』の口コミは?

(C)Lions Gate Entertainment Inc.
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『スキャンダル』の感想

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『スキャンダル』の感想をまとめました。
実名を出し切っているのがすごい
事実に基づくとはいえ、仮名を使う訳ではなく、実名でキャスティングしたのがすごいと思います。
ロジャー氏は亡くなっていますが、メーガンさんは、今でもメディアで活躍されています。
そんな方達を映画化したのは、さすがアメリカ(カナダ合作ですが)!と思いました。
日本では『Fukushima50』のような事実を元にした作品がありますが、これはどちらかと言うと彼等の行動を賛辞する意味合いが強いですが、『スキャンダル』は闇の部分をもう一度えぐる攻撃的な意味合いが強い作品とも捉えることができます。
表現の自由・・・とは言え、かなりインパクトのある取り組みだったなと感じます。
フェミニズムのようでフェミニズムではない
女性の問題を取り上げるとすぐにフェミニズムの作品だと思いがちですが、決してそういうわけではありません。
男性は全て悪!という思想では一切描かれていません。
男性も女性も手を取り合って、セクハラという問題に向き合って欲しいという思いが、映画を見ていて感じられました。
男性から見たらこれは「女性たちが俺たちを攻撃する映画」と受け取りやすいですが、そうではなく、一つのドキュメンタリー(風)映画として見てもらいたい作品だと思います。
『スキャンダル』の考察

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『スキャンダル』のストーリー構成について考察してみました。
男性も真正面からセクハラ問題に向き合っている
主演の女性陣達がクローズアップされていますが、『スキャンダル』の監督ジェイ・ローチ、脚本チャールズ・ランドルフは男性です。
女性に対する問題としながらも、男性陣が真正面から向き合った作品でもあります。
制作に男性陣が加わることについては、メーガン・ケリーを演じたシャーリーズ・セロンの「この話は男性と女性が一緒に作らないといけないと思う」という提案によるものだそう。
女性陣だけで作り上げた『スキャンダル』は、間違いなく男性は悪と言うイメージを前面に押し出されていたに違いないと考えます。
男性・女性が協力しあい、女性のセクハラ問題に向き合い作り上げた点は、社会的に見ても評価されるべきポイントではないかと考えます。
ロジャー・エイルズが完璧な悪役でない
ロジャー・エイルズの良さというのも描かれていて、憎むべき悪役として完全無欠に描かれているわけではありません。
彼がグレッチェンに訴訟された直後、妻を急いで家へ帰らせた後、家の前で妻と合流するシーンで、妻がロジャーに車の窓越しにキスをします。
セクハラをしている悪いやつではありますが、その一方で、妻を大切にし、妻からも愛されている普通の夫婦像が描かれています。
また、メーガンもセクハラの事実を黙秘している際も、セクハラ自体は悪いが、彼のことは嫌いでないし、有益で面白い話も聞ける・・・憎いわけではないと言う葛藤も描かれています。
単純にストーリーを面白くするのであれば、ロジャーを完全な悪者に仕立てることもできたかもしれません。
それをしなかったことにより、この映画がフェミニズムを訴えるものでもなく、リアルに起きている問題を可能な限り生に近い構成になったと考えます。
女性キャストの絶妙なバランス
実際のメーガンやグレッチェンの性格は定かではありませんが、ストーリーを進める上で、メインキャスト3名のキャラクターがしっかり書き分けられています。
- グレッチェン・カールソンは、ロジャーを敵と見なしている。用意周到で自己犠牲を厭わない。俗に言う強い女性。
- メーガン・ケリーは、フェミニズムに近い発言をしているが、フェミニズムではない。ロジャーを憎んでおらず中立的立場。
- ケイラ・ポスピシルは、ロジャーにセクハラを受けて以降、心を弱らせてしまい、二人のような強さはない。泣き寝入りしてしまう一般的なセクハラ被害者像。
ロジャー、もしくは、セクハラ問題ということに対し、その捉え方やアプローチが3人それぞれ異なっています。
共感する女性キャラクターもいるかもしれませんし、どれも共感できないって方もいるかもしれません。
女性の中でもセクハラと言う問題に対し、多様性のある考え方が描かれているのが、この作品の面白さのポイントの一つだと思います。
メーガンの特殊メイクがすごい!

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『スキャンダル』は、キャスト陣が演じていることはもちろんですが、当時のニュース映像を劇中に多く取り入れています。
私はシャーリーズ・セロンさんの顔をあまり存じていなかったので、メーガンのニュース映像と劇中のメーガンがあまり区別ついていませんでした。
これが、特殊メイクにより、セロンさんがかなりメーガンに寄せられていたことを後から知りました。
特殊メイクと言えば、人外生物の役やふくよかな人の役なんかをやるときに使われているイメージですが、実在の人物に似せるためにやるんだ!とびっくりしてしまいました。
また、この特殊メイクはカズ・ヒロ(辻一弘)さんの手で生み出され、アカデミー賞ではメイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞しています。
ぜひ、劇中内のメーガンの顔をしっかりと拝んでいただきたいと思います。
『スキャンダル』感想と考察まとめ
『スキャンダル』の口コミや感想、考察、映画内の特殊メイクについてお届けしてきましたがいかがでしたか?
社会問題をエンターテイメント性高く、かつ、メッセージ性の強い作品に仕上がっているのではないかと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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